2010年7月
岐阜市で精力的に活動している風と土の会さん。『できる事を、できる時に、できる分だけ行う!!』をモットーに、14年の歳月をかけて竹藪を竹林に整備してきました。
間伐処理や間伐材の有効利用だけでなく、竹林を活用した小中学校への環境教育、自然体験塾や環境フェア、ファミリーパーク祭、市内の子ども会等が開催するイベントなどにも協力しています。
団 体 名: 竹林整備ボランティア風と土の会
活動開始年: 平成8年(アダプト参加平成20年)
構 成: 環境ボランティア(企業の定年退職者及びその家族52人)
・長良川河川敷にある市竹林広場公園(56,000㎡)の間伐処理及び間伐材の有効利用。
・竹炭及び竹酢液の生産、間伐竹の配布、竹細工教室(年12回)の開催。
・毎年6月に竹の子祭、11月に竹林祭を開催。
・竹林を活用した小中学校への環境教育、岐阜県(自然体験塾)、岐阜市(環境フェア、ファミリーパーク祭)、市内子ども会等が開催するイベントに協力。
岐阜市のアダプト・プログラムには4種類のパターンがあります。
活動内容 | 具体的な活動例 | |
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一般型 アダプト・プログラム | 公共空間の清掃活動。ポイ捨て防止、啓発活動など。 | ・主要地方道の落ち葉清掃、河川清掃 |
創造型 アダプト・プログラム | 公共空間の維持管理を念頭に置いて、企画段階から参画(市民提言型、市民・行政協働型、行政提言型)して行われる活動。 | ・歩道の花壇作りと清掃管理 ・河川改修時の親水施設整備と維持管理 |
文化財型 アダプト・プログラム | 民有地にある地域のシンボル的な文化財をみんなで守っていこうという保全活動。 | ・市史跡古墳群の美化清掃、保存活動 |
環境保全型 アダプト・プログラム | 環境保全を念頭に置いた美化・整備活動。<公有地の例>河川等の水質保全活動、道路清掃に加えて雨水などを利用した打水活動、堤防の草刈と堆肥化、ホタルの保護活動など<私有地の例>休耕地の活用、緑化、里山保全など | ・長良川河川敷の竹林整備 |
広範囲の竹藪を竹林にしたため市民の散歩道として癒しの広場に生まれ変わりました。また、間伐除草作業により景観がよくなり、姫ボタルの群生地となりました。
間伐竹を公共公園の竹柵に活用するとともに、家庭菜園に取り組む市民に無償配布しました。また、竹炭、竹酢液をイベント参加者に配布しました。
イベントを通じて、高齢者と子ども達との交流による癒しの時間の創出、自然環境を守ってくれる後継者の育成ができました。
活動後に行っている焼芋、焼餅、竹筒ご飯を囲んでのメンバー同士の座談会は、日ごろ会話が少ない高齢者の楽しい場となっています。
Before
(手入れがされていない場所)
After
(手入れがされている場所)
竹は成長が早く広範囲の竹林のため、間伐処理が追いかけごっこになっています。また、若竹のうちに処理するため、夏の蚊の大群に悩まされています。
間伐竹の全てを有効活用することが出来ないため、河川敷で焼却処分をしているが、毎回消防署への届出、消火機器の準備を行って作業を実施しています。
竹を焼いて竹炭をつくる作業は長時間拘束されるため、やり手が少なく課題となっています。
竹細工教室には小刀を使った経験の無い親子の参加が多いことから、毎回100から400組の半製品を準備するのが大変です。
『できる事を、できる時に、できる分だけ行う』をモットーに精神的にも、肉体的にも負担を感じないペースで参加できるという方針のもと、活発に活動されている風と土の会さん。
まだまだ目標をもっています!
間伐竹を焼却しないで、有効活用の方法を見つけたい。
間伐体験と出前教育の機会をもっと増やしたい。
現在1社の企業に協賛をいただいている(社員、家族を伴い間伐体験会を開催)が、今後自然環境保全に理解をしていただける企業を募っていきたい。
大学生や高校生、社会人の若手会員を増やしていきたい。
竹林広場公園内の全ての間伐を早く終わらせ、十分な保守活動にシフトしたい。
姫ボタルの群生
イベント風景
「風と土の会」は、平成8年にボランティアリーダー研修会に参加した18名のメンバーが、長良川右岸の河川敷の荒廃した竹藪を何とかしようと立ち上がり ました。
平成20年度に覚書を結び、以前からの“できる事を できる時に できる分だけ行う”をモットーに活動され、竹林広場の整備、小学生や中学生の自然体験学習(自然講座、竹細工等)の指導や市内各地での出前講座など、地域活性化の源となっていることを大変嬉しく思っています。
今後も、精神的、肉体的に負担を感じないペースで、末長く活動を続けていただきたいと思います。
自治体名: 岐阜市
制度名: 岐阜版アダプト・プログラム“ぎふまち育て隊”制度
開始年: 2004年4月~(モデル導入 2003年4月~)
参加団体数: 81団体(2010年4月現在)
活動団体と市(道路・公園・河川などの公共空間を所管する部署)が覚書を結び、市(市民協働推進課)は傷害保険の適用と活動団体の名前を記載したサインボード(看板)を設置し、活動の啓発を行う。