2007年6月
麻布大学・環境政策学科の有志12名が、相模原市のアダプト・プログラム「街美化アダプト制度」に里親として参画しています。大学の名称にちなんで、アダプト・プログラムではなく“アザプト・プログラム”。
活 動 の 開 始
アザプト・プログラムを始めたのはH17年11月。以来約1年半に亘って活動継続。
対象となる場所
JR横浜線「矢部駅」から「麻布大学校舎」の間の道路の歩道両側=延べ475mと植樹帯。
清掃活動と調査
月2回清掃し全てのゴミを回収。回収後、ゴミをアイテム分類し個数と重量を数え、測定します。
◇ 活動開始初期の3ヶ月の散乱ゴミの平均個数
(H17年11月?H18年1月の6回の平均)=960個
◇ 1年後の3ヶ月の散乱ゴミ平均個数
(H18年11月?H19年1月の6回の平均)=636個
◇ 減少率=1?(636/960)=34%
◇ 評価:月2回のアザプト活動の1年間の継続により、散乱ゴミが3割減少。
すなわち散乱ゴミの発生=ポイ捨て行為が3割減少したことを意味します。
<仮説1>
統一ウェア(ベスト)を着用した学生のの清掃活動そのものの視覚的な啓発効果
<仮説2>
「きれいな所にゴミは捨て難い」効果
<仮説3>
アダプト・プログラム・サインボードの掲出によるポイ捨て抑止効果上記3点については、今後共同研究(下記参照)の中でさらに掘下げて行きます。
A | B | C | D | ||
---|---|---|---|---|---|
導入初期 3ヶ月 | 1年後 3ヶ月 | 減少個数 | 導入初期 構成比 | 減少個数 構成比 | |
飲料容器合計 | 73個 | 61個 | 12個 | 1.3% | 0.6% |
飲料以外の容器包装 | 1220 | 925 | 295 | 21.2% | 15.2% |
紙くず、その他 | 1483 | 1335 | 148 | 25.7% | 7.6% |
タバコの吸殻 | 2986 | 1494 | 1492 | 51.8% | 76.6% |
合計 | 5762 | 3815 | 1947 | 100.0% | 100.0% |
・導入初期(H17年11月?H18年1月)の散乱ゴミ個数は導入初期の散乱構成グラフ合計で5762個(A欄) でした。この中で一番多いアイテムは「タバコの吸殻」で全体の51.8%(C欄)。 以下、「紙くずその他」が25.7%、「飲料以外の容器包装」が21.2%、「飲料容器」は1.3%。
・導入1年で散乱個数は合計1947個(B欄) 減少しました。減少内訳は、「タバコの吸殻」が1492個(全体の76.6%)と最大(D欄)。 散乱個数が多い「タバコ」が減少寄与も最多であることは当然ですが、散乱対策は、まず「タバコの吸殻のポイ捨て防止から」が実証されました。 ・次に注目されるのは「紙くずその他」。散乱構成は2位であるにもかかわらず、減少寄与が比較的少ない。 これは今後の研究テーマです。
麻布大学、相模原市市民協働推進課、食品容器環境美化協会の3者は、互いに役割を定め、アザプト活動を推進し、その効果測定に関す る共同研究を進めています。
今回は、「活動開始から1年の散乱ゴミの変化」にテーマを絞って実態をご紹介しましたが、これからは、①上記“仮設”の検証、②地域生活と散乱ゴミの発 生、③アザプト・プログラムがもたらす意識変化などに研究テーマを広げてチャレンジしていきます。
→その他の導入効果測定結果はこちら(リンク)