導入1年で散乱ゴミ3割減少 | 公益社団法人食品容器環境美化協会
アダプト・プログラム

アダプト・プログラムの事例紹介


AP

2007年6月

導入1年で散乱ゴミ3割減少

アダプト・プログラムの導入1年で散乱ごみが3割減少

<独自の名称“アザプト・プログラム”>


麻布大学・環境政策学科の有志12名が、相模原市のアダプト・プログラム「街美化アダプト制度」に里親として参画しています。大学の名称にちなんで、アダプト・プログラムではなく“アザプト・プログラム”。

<活動の概要>


活 動 の 開 始
アザプト・プログラムを始めたのはH17年11月。以来約1年半に亘って活動継続。
対象となる場所
JR横浜線「矢部駅」から「麻布大学校舎」の間の道路の歩道両側=延べ475mと植樹帯。
清掃活動と調査
月2回清掃し全てのゴミを回収。回収後、ゴミをアイテム分類し個数と重量を数え、測定します。

<アザプト・プログラムの成果>


1.一年間で散乱ゴミが3割以上の減少

◇ 活動開始初期の3ヶ月の散乱ゴミの平均個数
  (H17年11月?H18年1月の6回の平均)=960個
◇ 1年後の3ヶ月の散乱ゴミ平均個数
  (H18年11月?H19年1月の6回の平均)=636個
◇ 減少率=1?(636/960)=34%
◇ 評価:月2回のアザプト活動の1年間の継続により、散乱ゴミが3割減少。
  すなわち散乱ゴミの発生=ポイ捨て行為が3割減少したことを意味します。

2.考えられる理由=仮説(今後の検証課題)

<仮説1>
統一ウェア(ベスト)を着用した学生のの清掃活動そのものの視覚的な啓発効果
<仮説2>
「きれいな所にゴミは捨て難い」効果
<仮説3>
アダプト・プログラム・サインボードの掲出によるポイ捨て抑止効果上記3点については、今後共同研究(下記参照)の中でさらに掘下げて行きます。

3.散乱ゴミのアイテム構成と減少寄与

◇ 散乱ゴミのアイテム分類別減少個数

ABCD
導入初期
3ヶ月
1年後
3ヶ月
減少個数導入初期
構成比
減少個数
構成比
飲料容器合計73個61個12個1.3%0.6%
飲料以外の容器包装122092529521.2%15.2%
紙くず、その他1483133514825.7%7.6%
タバコの吸殻29861494149251.8%76.6%
合計576238151947100.0%100.0%

◇ 「タバコの吸殻」が全体の5割

・導入初期(H17年11月?H18年1月)の散乱ゴミ個数は導入初期の散乱構成グラフ合計で5762個(A欄) でした。この中で一番多いアイテムは「タバコの吸殻」で全体の51.8%(C欄)。 以下、「紙くずその他」が25.7%、「飲料以外の容器包装」が21.2%、「飲料容器」は1.3%。

◇ アイテム別の散乱減少寄与

・導入1年で散乱個数は合計1947個(B欄) 減少しました。減少内訳は、「タバコの吸殻」が1492個(全体の76.6%)と最大(D欄)。 散乱個数が多い「タバコ」が減少寄与も最多であることは当然ですが、散乱対策は、まず「タバコの吸殻のポイ捨て防止から」が実証されました。 ・次に注目されるのは「紙くずその他」。散乱構成は2位であるにもかかわらず、減少寄与が比較的少ない。 これは今後の研究テーマです。

<3者共同研究>


麻布大学、相模原市市民協働推進課、食品容器環境美化協会の3者は、互いに役割を定め、アザプト活動を推進し、その効果測定に関す る共同研究を進めています。
今回は、「活動開始から1年の散乱ゴミの変化」にテーマを絞って実態をご紹介しましたが、これからは、①上記“仮設”の検証、②地域生活と散乱ゴミの発 生、③アザプト・プログラムがもたらす意識変化などに研究テーマを広げてチャレンジしていきます。

→その他の導入効果測定結果はこちら(リンク)

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