
当協会では、2016年度に首都圏および近畿圏の散乱ごみについて2005年に調査をした地点について街中(歩道、市街地、オフィス街)におけるごみの散乱状況がどのように変化しているかを検証するために調査を行った。
2005年度に調査した地点50か所について事前に散乱ごみの清掃を行い、おおむね1週間後にごみの散乱状況を調査した。なお、道路環境が大きく変わったところは対象調査地から除外した。
表1 平成28年調査地の場所類型及び調査地点数
| 調査地分類 | 関東圏 | 近畿圏 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 道路(歩道) | 10 | 10 | 20 |
| 市街地(駅前・商店街) | 10 | 10 | 20 |
| オフィス街 | 6 | 4 | 10 |
| 合計 | 26 | 24 | 50 |
表2 調査対象物・分類
| 4分類 | 小分類 | 代表的な品目 | |
|---|---|---|---|
| 飲料容器 | びん | ||
| 缶 | |||
| ペットボトル | 350ml以下 | ||
| 350ml~700ml未満 | |||
| 700ml以上 | |||
| 紙パック | |||
| その他の飲料容器 | コップ型飲料容器、アルミパウチ容器、飲料容器の蓋等 | ||
|
その他の 容器包装 |
びん | ジャム、化粧品等のびん | |
| 缶 | スプレー缶、ペットのえさ缶等 | ||
| 紙製容器 | たばこの箱 | ||
| 食品用 | 菓子の紙箱等 | ||
| その他 | 日用品の紙箱、段ボール箱等 | ||
| 紙製包装 | 包装紙、模造紙、ガムの包み紙等 | ||
| プラスチック容器 | 弁当箱 | ||
| 食品用 | トレイ(発泡製、透明)等 | ||
| スーパーの袋 | |||
| その他 | 日用品のプラスチックボトル等 | ||
| プラスチック製包装 | ラップ等 | ||
| その他の容器包装 | アルミホイル、木製容器等 | ||
|
その他の ゴミ |
新聞 | ||
| 雑誌 | |||
| チラシやDM | |||
| 紙屑 | |||
| その他ガラス | |||
| その他金属 | |||
| その他プラスチック | |||
| その他の木 | |||
| その他 | 陶器類、布製品、厨芥類等 | ||
| たばこの吸い殻 | |||
概要調査地点の散乱ごみは減少している。2005年度の調査結果と比較すると歩道、市街地、オフィス街でのごみの個数は減少しており、街の美化が進んでいる。
飲料容器の散乱ごみは全体の散乱ごみに占める割合は、オフィス街では1.3%、市街地では2.4%、歩道では3.4%となっている。
(1)散乱ごみの総量(100m当たりの個数)
個数ベースでは、歩道が57.7個、市街地が48.4個、オフィス街が28.7個であった。
2005年度の調査結果と比較すると、歩道が12.9%減、市街地では63.5%減、オフィス街では37.4%減とすべてで減少した。
表3 100m当たりの個数の平均散乱量
| 道路(歩道) | 市街地 | オフィス街 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
|
全体量 (個数) |
対2005年度 増減 |
全体量 (個数) |
対2005年度 増減 |
全体量 (個数) |
対2005年度 増減 |
|
| 2016年度 | 57.7 | △12.9% | 48.4 | △63.5% | 28.7 | △37.4% |
| 2005年度 | 66.3 | – | 132.7 | – | 45.8 | – |
表4 大分類ごとの平均散乱量(単位:個)
| 道路(歩道) | 市街地 | オフィス街 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016年度 | 2005年度 | 2016年度 | 2005年度 | 2016年度 | 2005年度 | |
| 飲料容器 | 3.4 | 3.6 | 2.4 | 5.8 | 1.3 | 1.8 |
| その他容器 | 12.3 | 13.2 | 11.2 | 31.7 | 5.7 | 7.1 |
| 吸い殻 | 31.7 | 38.9 | 24.4 | 72.8 | 15.3 | 29.3 |
| その他 | 10.3 | 10.6 | 10.5 | 22.4 | 6.4 | 7.6 |
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・歩道では「缶」が1.3個と多く、次に「その他の容器」1.1個、「ペットボトル」0.7個の順である。
2005年度と比較すると、「その他の容器」が増加している。
・市街地では、「缶」が0.9個でもっとも多く、次に「その他の容器」が0.7個となっている。
2005年度と比較すると、すべての容器で同じか減少しており、「缶」、「ペットボトル」「その他の容器」の減少が大きい。
・オフィス街では、「その他の容器」が0.5個でもっとも多く、次に「缶」が0.4個である。2005年度と比較すると、「その他の容器」で増加しているが、それ以外の容器では同じか減少している。
表5 飲料容器の種類別平均散乱個数
| 道路(歩道) | 市街地 | オフィス街 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016年度 | 2005年度 | 2016年度 | 2005年度 | 2016年度 | 2005年度 | |
| びん | 0.2 | 0.2 | 0.3 | 0.3 | 0.1 | 0.1 |
| 缶 | 1.3 | 1.4 | 0.9 | 2.2 | 0.4 | 0.8 |
| ペットボトル | 0.7 | 0.7 | 0.4 | 1.3 | 0.3 | 0.3 |
| 紙パック | 0.1 | 0.3 | 0.1 | 0.5 | 0.0 | 0.2 |
| その他の容器 | 1.1 | 1.0 | 0.7 | 1.5 | 0.5 | 0.4 |
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たばこの吸い殻が最も多く、紙くずがこれにつづく
表6 場所類型別の散乱個数ランキング
| 道路(歩道) | 市街地 | オフィス街 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 品目 | 構成比 | 品目 | 構成比 | 品目 | 構成比 | |
| 1位 | 吸い殻 | 54.9% | 吸い殻 | 50.4% | 吸い殻 | 53.3% |
| 2位 | 紙類(紙屑) | 10.6% | 紙類(紙屑) | 12.6% | 紙類(紙屑) | 12.8% |
| 3位 | プラスチック容器(食品用) | 8.3% |
プラスチック製 包装 |
7.3% |
プラスチック製 包装 |
7.3% |
| 4位 | プラスチック製包装 | 5.7% | プラスチック容器(食品用) | 5.7% | プラスチック容器(食品用) | 5.4% |
| 5位 |
その他のごみ (プラスチック) |
2.7% | 紙製包装 | 4.2% | 紙製包装 | 2.7% |
表7 飲料容器における散乱個数ランキングおよび構成比
| 道路(歩道) | 市街地 | オフィス街 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016年度 | 2005年度 | 2016年度 | 2005年度 | 2016年度 | 2005年度 | |
| 缶 |
7位 (2.27%) |
6位 (2.13%) |
8位 (1.83%) |
8位 (1.63%) |
11位 (1.27%) |
7位 (1.70%) |
| ペットボトル(350~700ml) |
12位 (0.96%) |
15位 (0.52%) |
14位 (0.76%) |
15位 (0.54%) |
14位 (0.84%) |
15位 (0.44%) |