散乱防止啓発

散乱実態調査(2000年度~2003年度)


散乱実態調査

当ページは、2000年度、2001年度、2003年度の調査のまとめです。 首都圏、近畿圏の「散乱ごみ観測地点・90ヵ所」で継続的に定点調査した結果です。下記のリンクをクリックすると、該当の箇所にジャンプします。

 
 
調査結果の概要
 

観測地点(90地点)での散乱ごみ(落ちているごみ)は減少傾向にある。 特に「市街地」では、散乱ごみが大幅に減少し、まちの美化が進んでいる。 この推移は増減なく、横ばいであった。すなわち、ポイ捨て行為は減少していない。 まちの美化は清掃活動の活発化によってもたらされていると考えられる。

① 飲料容器は散乱ごみ(落ちているごみ)全体の2%〜8%であった。
<散乱ごみ(落ちているごみ)の4分類別・個数構成内訳> 場所の類型別に散乱構成は異なるが、要約すると以下の通りである。(2003年度構成比)

—散乱個数構成比—

  散乱ごみの種類 <下限> <上限>
1位 たばこの吸い殻 分離帯 40%台半ば ~ オフィス街 60%
2位 容器包装(飲料容器以外) オフィス街 20% 〜 歩道 30%
3位 紙くず・その他 市街地 17% 〜 分離帯 20%
4位 飲料容器 オフィス街 2% 〜 分離帯 8%弱
 

②散乱ごみ(落ちているごみ)の多い場所は、「道路の中央分離帯」 と「市街地」であった。
<100m当りの散乱ごみ>・・・過去3回の平均。河川敷、オフィス街、公園は 2003年値グラフ100m2あたりの散乱ごみ

③散乱ごみの発生(1週間で 発生したごみ)が多い場所は「市街地」であった。

<100m当り、1週間のごみの発生量>・・・過去3回の平均
1位・市街地=159個超・・実際の発生量は左記の数字を上回ると推定。
2位・分離帯=109個 ・・発生量は2位。散乱量は上記②の通り1位。
3位・歩 道= 79個

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散乱ごみ実態調査の結果について


調査対象物の分類基準と品目
 

吸い殻以上の大きさのすべての散乱ごみを調査対象とした。ただし、不法投棄のごみ、ごみの集積所に出された家庭系(もしくは事業系)ごみ、犬猫のフン、落ち葉等は対象外とした。

4分類 小分類 代表的な品目
飲料容器 びん  
 
350ml以下のペットボトル  
500ml以下のペットボトル  
500ml超のペットボトル  
紙パック  
その他容器 コップ型飲料容器、飲料容器の蓋等
その他の容器包装 びん缶 ジャム、化粧品等のびん
缶詰め等
紙製容器 たばこの箱  
食品用 菓子の紙箱等
その他 日用品の紙箱、段ボール箱等
紙製包装 包装紙、模造紙、ガムの包み紙等
プラスチック容器 弁当箱  
食品用 トレイ(発泡製、透明)等
スーパーの袋  
その他 日用品のプラスチックボトル等
プラスチック製包装 ラップ等
その他の容器包装 アルミホイル、木製容器等
その他のゴミ 新聞  
雑誌  
チラシやDM  
紙屑  
その他ガラス  
その他金属  
その他プラスチック  
その他の木  
その他 陶器類、布製品、厨芥類等
たばこの吸い殻

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清掃美化活動による散乱ごみの減少
 

清掃掃美化活動の進展によって、まちの散乱ごみは減少しつつある。
1.過去3回の調査の結果、定点観測地点での散乱ごみは、概して減少傾向。特に「市街地」では3年間で4割減。
2.ただし、散乱ごみの発生量は、下記3類型総じて、概して横ばいで推移。マナー改善は進んでいない。まちの美化は進んでいるが、それは、清掃美化活動の活発化によるものである。

<中央分離帯>
・散乱ごみの個数(ブルーの線)は年々により大きくバラツキ、データの積み重ねがないと、トレンドは読み難い。ただし、散乱ごみの発生個数(ピンクの線)からは、横ばい、または微減のパターンが読みとれる。
・「分離帯」でのごみの散乱は、実態としては増減なく推移し、清掃が入った時期との関係で散乱個数が上下しているものと考える。

<道路歩道>
・ 発生個数は横ばい、散乱個数は微減である。
・ ごみの発生は減少していないが、清掃活動の進展により、徐々にではあるが、美化が進んでいるといえよう。

<市街地>
・散乱個数は、明らかに減少しつつある。観測地点に関する限り、3年間で4割減少し た。
・発生個数は、2001年は調査しなかったため、2回の比較ではあるが、横ばい、または僅かに増加気味である。(市民の自主清掃ごみは調査に入っていない。)
・ごみが多発する場所であるが、清掃活動がこれをカバーし、まちがきれいになりつつあるといえよう。

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散乱ごみ実態調査の詳細
 

飲料容器はごみ全体の2〜8%(散乱個数構成比)・・・4分類別の散乱ごみ構成内訳(2003年度調査)

  • ・たばこの吸い殻 (ごみ全体の40%台半ば〜60%弱)
  • ・容器包装(飲料容器以外)(ごみ全体の20%〜30%弱)
  • ・紙くず・その他 (ごみ全体の17%〜20%弱)
  • ・飲料容器 (ごみ全体の 2%〜8%)
 

場所別の散乱ごみの分類別・個数構成比は下図の通りであった。一見して、「河川敷」ではその他の場所とは、散乱ごみの構成が異なる。これに対し「オフィス街」、「市街地」、「歩道」、「分離帯」の4類型はほぼ同様の構成パターンとなっている。「公園」が両者の中間的な構成。
「河川敷」を除く5つの場所での、散乱ごみの分類別構成は以下の通りであった。

4分類中、抜きん出て多く、全体の40%台半ば〜60%を占める。

「たばこの吸い殻」に比べると少ないが、2番目に多い。全体の20%前後〜30%弱。

この中の最大アイテムは「紙くず」。これを含め、構成比は全体として17%〜20%弱。なお、「河川敷」では、この時期、花火の燃えカスが多い。

全体の2%前後〜8%弱。場所別に見ると、「分離帯」の7.5%が最多で、「市街地」「オフィス街」では2〜3%程度と少ない。

  • ・たばこの吸殻
  • 容器包装(飲料水以外)
  • ・紙くず・その他
  • ・飲料容器

4分類別の散乱ごみ構成比

■散乱ごみは「分離帯」と「市街地」に多い ・・・場所別、散乱ごみの個数

1.道路中央分離帯  (100mあたり275個)
2.市街地      (100mあたり237個)
3.道路歩道      (100mあたり153個)
4.河川敷       (100mあたり143個)
5.オフィス街     (100mあたり 56個)
6.公園        (200㎡あたり53 個)
(注)1.〜3.は過去3回の平均。4.〜6.は2003年度値。

市民が日常生活で接することが多い公共スペースを、6つの類型に分け、それぞれについて、散乱ごみ(落ちているごみ)を調査した。
要点は以下の通り。

ごみが多いのは「中央分離帯275個」と「市街地237個」。なお、「中央分離帯」の場合、特に、右折信号手前での散乱が多かった。
ごみが少ない場所は、「オフィス街」と「公園」で、100m当り50個強。

なお、「分離帯」での散乱ごみの個数は、過去3回の調査を通じて数字のバラツキが大きかった。
ただし、散乱ごみの発生量を調査すると、後記の通り、それほど大きなバラツキはない。
従って、「分離帯」での散乱個数の上下動の原因は、直近の「清掃」と「散乱調査」との間隔の長短にあるものと考えられる。

【過去3回の場所別・散乱ごみ個数 100mあたり】

  2000年 2001年 2003年 3回の平均
中央
分離帯
303 381 141 275
市街地 294 131 89 109
歩道 77 78 81 79
河川敷 143
オフィス街 56
公園 53
 

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散乱ごみの場所別発生個数

散乱ごみは「市街地」で多い ・・・場所別、散乱ごみの発生個数
1.市街地(一週間、100mあたり159個以上)
2.道路中央分離帯(一週間、100mあたり109個)
3.道路歩道(一週間、100mあたり 79個)
(注)過去3回調査の平均値。

市街地、分離帯、歩道の3類型については、前項の「散乱ごみ」の調査とあわせて、一定期間(一週間)の「散乱ごみの発生量」を調査した。

1.散乱ごみが最も多く発生する場所は「市街地」で、一週間・100mあたり150個超であった。 「市街地」では、商店・ビルなど、自社建物の前は自ら掃除しているが、この自主清掃部分は調査不可能であった。従って、自主清掃で除去された散乱ごみを加えれば、発生個数は、上記150個を大きく上回ると推定される。
「市街地」では、散乱ごみは多量に発生するが、清掃活動も頻度高く行われている。 次項②の「分離帯」とは好対照。

2.「分離帯」では100個強と、「市街地」に比して「発生個数」は少なかった。にもかかわらず、前項の通り「散乱個数(落ちているごみの数)」では両者ほぼ 同等であった。「分離帯」では清掃の頻度が低く(年4回前後)、このため、実際の散乱個数が多くなる。

3.「歩道」は79個。市街地における発生量のほぼ半分であった。

【散乱ごみ発生個数 1週間・100mあたり】

 

  2000年 2001年 2003年 3回の平均 平均に対する
平均バラツキ率
市街地 153 160 159 ± 2.1%
中央分離帯 105 131 89 109 ± 14.0
歩道 77 78 81 79 ± 2.1

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散乱ごみの種類別ランキング

散乱ごみのアイテム別ランキング(2003年度調査)・・・「たばこの吸い殻」が図抜けて多く、「紙くず」がこれに続く2位

1位     たばこの吸い殻 (全体の40%台半ば〜60%を占める)
2位     紙くず
3位・4位 プラスチック製容器(食品用)または紙製包装 (下記 (注)参照)
5位     プラスチック製包装 (下記 (注)参照)

●ランキングの要約・・・詳細は下部画像を参照して下さい。

<トップ5>
「場所を問わず、散乱が最も多いアイテムは「たばこの吸い殻」であった。
1. 構成比は既述の通り40%台半ば〜60%。
2.2位が「紙くず」。6類型中、4類型で2位である。
3.「プラスチック製容器(食品用)」と「紙製包装」は、場所によって、3位〜4位を入れ替わる。
4.5位の「プラスチック製包装」は、場所によって、5位〜6位を上下する。

<飲料容器>
1.飲料容器の中で最大アイテムは「飲料缶」である。「飲料缶」は「分離帯」および「歩道」でもっとも順位が高いく、全体の7位。その他の場所では、8位から 16位の間を上下する。
2.PETボトル入り飲料の消費増に伴い、PETボトルの構成が上昇し、飲料容器の中で2位。
ただし、全アイテムの中での順位は、「分離帯」の11位が最高で、その他の場所では、13位〜18位である。

●散乱対策展開にあたっての留意点

下記画像を見るとおり、最多アイテムである「たばこの吸い殻」を除くと、散乱ごみは、種類、材質、ともに極めて多様であり、散乱に関わる人(消費者)も、 同様に、多様であると考えられる。 従って、散乱対策は、散乱ごみ全体を包含し、かつ、幅広い市民(消費者)に向けて展開する必要がある。

(注)
プラスチック製容器(食品用)の例=カップ麺の容器、ゼリー・プリンの容器など
紙製包装の例=包装紙、ガム・菓子の包装紙など
プラスチック製包装の例=食品用トレイのラップフィルム、弁当を包むフィルムなど
 

【散乱ごみアイテム別散乱個数(2003年度)】

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