今年は、おおよそ350ぐらいの導入件数を予想しています。
認可制度ではないので、常時食環協が全国の正確な件数を把握しているわけではありません。
現在アダプト・プログラムは、そのほとんどが人口2万人以上の市と町に導入されています。人口2万人以上の自治体は全国で1000弱あり、約3割がアダ プト・プログラムを導入していることになります。
活動団体数は、推定値を含め13,000団体。
グラフを見ると、毎年伸びていることがわかります。
過去6年間で約10倍の伸びです。
例年実施している導入自治体へのアンケート調査で、今年は導入主体間の分業について質問しました。
国交省のプログラムの一部を担っている市・町は8%、13市町。
県が国交省のプログラムの一部を担っている事例は今回のアンケート調査では見られません。
内訳は、ごみの回収が約半数、里親などの募集が約2割、活動団体に対する支援が約2割。
県が導入しているプログラムを県内の市・町が担っている割合は18%、実数では31市町。
【県のアダプト・プログラムの主体間分業】
・事業統括:92%が導入窓口の課
・傷害保険事務:73%が導入窓口の課
・合意書などの事務:89%が県の事務所
・サインの掲出:78%が県の事務所
・活動支援:76%が県の事務所
・ごみの回収:54%が市・町
【市・町のアダプト・プログラムの庁内分業】
・事業統括:86%が導入窓口部署
・合意書などの事務:89%が導入窓口部署
・活動支援:91%が導入窓口部署
・サインの掲出:76%が導入窓口部署
・傷害保険事務:56%が導入窓口部署
・ごみの回収:47%が導入窓口部署
アダプト・プログラムが導入されている場所についての調査で、今年は県と市・町の2つに分けました。
県の場合には道路課、河川課のようにその部署が管轄している場所にアダプト・プログラムを導入している結果が右の数字となっています。市・町の場合、広 汎に(全域に)導入した結果、道路78%>公園66%>河川41%の順に導入されています。
参加団体の上位2団体である「町内会・自治会」と「地元企業」はここ何年間か同様の数値で推移しています。この2団体を足すと約45%となり、アダプト・プログラムの団体構成のほぼ半数はこの2団体でできあがっています。
以下、「環境団体」「サークル」「青年・老人会」「学校」「青年会議所・他」の順に構成されます。この3年間でそれほど大きな数値の移動はみられませ ん。多少「環境団体」が増加傾向にあるが、それ以外は横ばいです。
07年 | 06年 | 05年 | |
町内会・自治会 | 25.0% | 24.6% | 21.4% |
地元 企業 | 20.1% | 20.5% | 24.8% |
環境 団体 | 19.3% | 14.4% | 16.5% |
サークル | 11.1% | 11.4% | 10.8% |
青年・老人会 | 5.5% | 6.1% | 4.4% |
学 校 | 3.9% | 4.3% | 4.7% |
青年会議所・他 | 0.6% | 0.7% | 0.1% |
そ の 他 | 14.5% | 18.0% | 17.3% |
合 計 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
活動の上位は「ごみ拾い」と「除草」。
また「花壇」と「植樹栽」がそれぞれ5割前後、そしてそのための「育苗」が2割弱となっています。
なお、事例は少ないが「道路の簡易舗装」「ガードレールの塗り替え」などに取り組んでいる事例もあります。
県と市町区は、アダプト・プログラムの評価についてほぼ同様の回答パターンであり、例年と比べても変化はみられません。
ただ、経費節減について、県で51.3%、市町区で40.3%と、10%の開きがあります。
アダプト・プログラムの問題点と課題においては、県と市町区でいくつか相違がみられます。
「市民意識」の向上では、県が26%、市町区が50%であり、課題・認識に相当な開きがある。「参加しやすい仕組みづくり」も、県20%に対し、市町区 は41%です。
一方、逆の開きがみられるのが「自治体間の協働」であり、県では33%ですが、市町区では6%となっており、県側が市や町の協力を得たいと考えているこ とがわかります。