1.広報 | 公益社団法人食品容器環境美化協会
アダプト・プログラム

1.広報


◆目次

(1) アダプト・プログラムの広報・PRの手法

アダプトを導入している自治体の多くは以下の広報手段を主として活用しています。

制度の広報や、活動団体の活動状況報告、交流会の開催案内等の情報を掲載。 予算・人員等厳しい中で地域の実情にあわせどう組み合わせるか、集中するかを検討します。

■ 自治体ホームページ

・アダプト導入自治体の80%以上が活用。

制度内容紹介、参加者募集、活動紹介、団体リスト掲載、合意書等の必要書類一式等幅広く掲載。

・複数の制度がある場合に特定部署が各制度をまとめ掲載している例もある (徳島県:アドプト大国、熊本市:ふれあいまち美化ボランティア等)

○ 参考例-団体がレポート(八戸市)

ホームページは私どもが取材にお伺いするわけではなくて、 活動の予定や報告を出していただいているのですが、 その際にホームページへの掲載もしますので、写真と簡単な感想もいただきたいという お声掛けをしています。それを出してくださったところは、 漏れなく掲載しています。2分の1か3分の1ぐらいの団体が提出してくださっています。

→関連リンク:  八戸市ホームページ(外部リンク)

○ 参考例-市のアダプト担当者がレポート(美濃加茂市)

美濃加茂市では、1年をかけ全団体を取材しHPに掲載しています。当初は各団体の活動日に活動場所を訪れ、活動中の写真を撮影し、確認資料として保管するだけでした。 しかしそんな時、職員から「せっかく写真を撮影し たのに、市に保管するだけではもったいない」という意見が上がり、1人でも多くの方に見てもらいクリーンパートナー制度の周知、活動団体のPRにつなげようと、活動内容をホームページで紹介し始めました。

→関連リンク:
「事例-全団体を取材し市のHPに掲載~アダプト活動をPR(美濃加茂市)」(リンク)

■ 自治体広報紙

・「○県報」「○市報」等自治体が定期的に発行する広報紙にアダプト関連記事(制度周知、団体募集、活動紹介等)を掲載。

・50%以上の自治体で活用

■ アダプト・プログラム情報誌

・アダプト専門の広報手段として、制度PRや活動団体の活動紹介を行う。紙媒体でなくホームページに掲載したり、WEB上でバックナンバーを閲覧できるようになっています。

・9%の自治体で実施

○ 参考例-「まち「ピカ」だより」(室蘭市)

活動の輪をもっと広げていくため、活動者の紹介や情報交換の場として創刊。

→関連リンク: 「まち「ピカ」だより」(室蘭市)(外部リンク)

○ 参考例-「TR-mag」(東京都(公益財団法人東京都道路整備保全公社))

公益財団法人東京都道路整備保全公社が行う公益事業について紹介。そのコンテンツのひとつとしてアダプト団体の紹介を毎回掲載している。

→関連リンク: TR-mag(東京都道路整備保全公社)(外部リンク)

○ 参考例-「アダプトだより」(岐阜市市民協働課)

年に1回ニューエントリーとして新規参加団体紹介をしている。原稿は団体に用意してもらっている。

■ メディア

テレビ、ラジオ、新聞、CATV、地域FM、タウン誌等で制度、周知、活動紹介等を行う。

○ 広報番組(5分程度)に担当者出演。アダプトの紹介をした。

回答:広島県・道路河川管理課

○ テレビ(ニュース・地方情報番組)

編集したビデオを地元のテレビ局に送り、放映してもらう方法がある。ニュース、地域情報番組等で流してもらえる可能性が高い。(食環協では、2012年度学校表彰事業において、業者を通じて、表彰式典の様子を編集しテレビ局に送った。8校中8校すべて流れた。)

■ SNSの活用(Facebook、Twitter、ブログ等)

最近では自治体の活用が増えており、防災・防犯情報やイベント情報の他、市民活動をPRする場合もあります。

アダプト・プログラムを主とした内容のSNSを活用している自治体は少数ですが、 アダプト・プログラムを担当する部署においてFacebookやブログを活用しているところでは、 市民の活動として紹介していたり、他の部署におけるサイトにおいても紹介されることがあります。

また、アダプト参加団体においても、自身のブログやFacebook等で活動報告をしてます。特に企業においてはCSRの一貫として活動し、HPに報告をしてPRしているようです。

○ 広報番組(5分程度)に担当者出演。アダプトの紹介をした。

→関連リンク: 笑働OSAKA Facebookページ(外部リンク)

→関連リンク: 大阪府鳳土木事務所ブログ「オオトリ アドプト通信」(外部リンク)

→関連リンク: 
鳥取県砂丘事務所 公式facebookページ「鳥取砂丘レンジャー」(外部リンク)

■ アダプトのキャラクターの活用

最近では自治体の活用が増えており、防災・防犯情報やイベント情報の他、市民活動をPRする場合もあります。

○ あだぴい(広島県)

広島県では、アダプト制度(道路「マイロード活動」・河川「ラブリバー活動」)の一層の周知、普及推進のため、2010年6~7月にマスコットキャラクターを募集しました。小学生や高校生、専門学校生やプロのデザイナーなど、県内外から約140点の応募があり、力作ぞろいの中から、審査の結果「アダピィ」に決定しました。

宮島に生息する鹿をモチーフにした「アダピィ」は、頭に県木のモミジ、胸には県章をつけ、両手に持った竹ぼうきとちりとりで地域の美化活動に取組む姿勢を表しています。今後ポスターやパンフレットなどに登場し、広島県アダプト制度普及に大いに活躍します。

広島県アダプト制度の詳細についてはこちらをご覧ください。

→関連リンク: 広島県ホームページ”広島県アダプト制度情報サイト”(外部リンク)

○ スミレちゃん、レビアちゃん(宮城県)

☆ ЯEVIR(レビア)ちゃん(宮城県土木部河川課)

平成15年4月から宮城県河川課ホームページで、自らほうきを持ち、宮城県内の河川の美化・清掃活動のPRをしている。彼女自身も河川の清掃が大好きだそう。 「河川は大切なみんなの財産です。河川敷へのゴミのポイ捨てや不法投棄はしないで下さいね! みんなできれいな川にしていきましょう!」(談)。

☆ SMILE(スミレ)ちゃん(宮城県土木部道路課)

魔女の見習いで好きな食べ物はおにぎり。魔法幼稚園に通う傍ら、「みやぎスマイルロード・プログラム」の活動(検索して調べよう)を広報しており、 県庁道路課が発行している「みやスマ通信」の中では、活動状況のレポーターも担当。ほうきで空を(なんとか)飛ぶことができる。また、自分のことを「あちき」と呼ぶ。

→関連リンク: 出典:宮城県ホームページ「みやぎ観光NAVI」より(外部リンク)

→関連リンク: 宮城県アダプト・プログラムページ(外部リンク)

○ さんかくやまべえ(札幌市西区)

札幌市西区では平成21年8月に「こどもによるまちづくりを進める西区民会議 (こども西区民会議)」を設立し、次代を担う子どもたちが主体となり、 様々なまちづくり活動を行っています。

平成21年度の活動として、こども西区民会議委員である小学生10名が、登山や水生生物観察会、 施設見学など、環境に優しい場所へ自ら足を運び体験した事柄をもとに、 かるたの読み札と絵札を作成しました。 全部で350句の読み札を作成した中から、 西区の自然や環境に優しい場所・活動を紹介する「さんかくやまベェかるた」を完成させました。

そのなかで「つ」にアダプト・プログラムが組み込まれました。 子供たちにもわかりやすくアダプト・プログラムが紹介されています。

「つづいてく きれいなまちなみ アダプトで」

→関連リンク:  札幌市西区ホームページ ”さんかくやまベェのページ”(外部リンク)

■ その他

・首長等のメッセージ

首長の施政方針や部長メッセージに盛り込んでもらう。

・勉強会・講習会の実施、活動団体メンバーの口コミ活用

定例の自治体アンケート調査では、団体の交流会(15%)、勉強会(8%)、 年度総会(7%)、協議会(3%)等の実施報告がありました。

・行政職員からの誘いかけ

職員が直接話に行くことで広がることも多い。都市開発に伴う説明会の際や町内会・ 自治会の会合等で説明を行い参加を促したり、苦情がキッカケでアダプト・ プログラムに結びつくこともある。苦情を言ってくる人は環境美化に関心があるため 活動を始めると熱心に継続されるようです。

■ 様々なアイデア

・表彰状・感謝状贈呈の活用、パネル展等でのPR、団体の活動紹介(愛媛県河川課)

・自治体のイベントで制度・活動紹介をした。この制度があったことを知らなかったという声が 聞けた(妙高市、三条市)

・アダプト活動場所の季節の風景画像を自治体ホームページのトップページで紹介(小金井市)

・市役所1階通路で活動紹介の展示(奈良市)

・アダプト情報誌発行により制度、活動紹介(岐阜市、岡山市、久留米市等、多数)

・自治体広報紙による制度、活動紹介

・アダプト参加を工事の落札時の評価にカウントする

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(2)広報・PRする意味と効果的なPR方法

多額の予算をかけてアダプト団体募集の広報活動を行ったとしても、市民に認知されてもアクション(登録)につながらないこともあります。

広報・PRする際には、露出する事に意味があるのではなく、なんのために「PR」するのか、広報効果を考えることが必要です。

■ 手法に対する考え

伝えたいターゲットにどの手法を使い、どのタイミングでPRすれば効果的に伝わるのか、フリーペーパー、 WEB、専門紙、などツールの選択が必要です。

・ こどもやその親…子ども会、母親向け子育てサロン、学校
・ 若者…ネット(WEB)、SNS
・ 企業…業界連絡会
・ 高齢者…地域のポスター、広報誌、回覧板

■ メディアにとってのアダプトに対する考え方との違い

メディアがアダプト活動を取材したとしても『アダプト』の文字が紙面に掲載されることはあまりなく、単に『環境美化活動』と標記させることが多いです。

「アダプト」としてPRしたいのであれば、そういったときに『アダプト』を明記してもらうよう働きかけることも必要と考えます。

■ PRする対象にあった手法を使う

Q. スマイルスタイルが狙う対象者は、60%の層だというお話でした。 20%は働き掛けなくても自発的にやる層、もう20%は働きかけてもやらない層、 残りの 60%にどういうきっかけを作れるかが大事だというお話でした。地域には高齢がいることも踏まえて、 何か考えるところはありますか。

A. 60%の層も、若者なのか高齢者なのかその年代に応じて、嗜好・趣味・関心事も変わってくると思います。 僕たちの参加者募集は、ほとんどがWebです。高齢者はWebを見ませんから、そこには引っ掛かりません。 機会があれば参加したいという高齢者の方もいたのですが、そこに向けるツールがありませんでした。 その時、回覧板や地域のポスターを活用することになり、それを見て参加してもらった例がありました。 子どもは子ども、高齢者は高齢者に向けての宛て方があると思っています。

 

回答:NPO法人スマイルスタイル(アダプト・シンポジウム2011)

■ 連携・協働する企業が魅力的だと思うストーリー(物語)を作る

しっかりと企画書・物語を作り、いかに費用を得られるか、準備しないとなかなか難しいと思います。 カネは非常に難しい問題ですが、うまく連携・協働していけば、NPOとしての活動展開ができると思います。

空き容器回収機ですが、2台で640万円です。NPOが大金をどう用意したんだと聞かれますが、あれは東海地方初の環境の駅の立ち上げで、マスコミの注目度も高いのでいいPRになると、滋賀県のTMエルデ(株)から無償貸与されました。

それと堆肥化ステーションの生ごみ処理機も2台で2,500万円です。これは四国で作っている機械ですが、代理店は岐阜県大垣市にあり、動いているところを見せる機会が欲しかった企業と、思惑が一致して、(株)ジーシーから無償譲渡していただきました。

→連携・協働する相手が魅力的だと思うストーリー(物語)を作ることができれば広がる。

回答:西濃環境NPOネットワーク/ぎふ・エコライフ推進プロジェクト実行委員会
(アダプト・シンポジウム2010)

■ 受取側にメリットになる具体的な情報を

報告書を市民に向かって、フィードバックすることが非常に大事です。活動の中で、悩んだり苦しんだり困ったり、喜びがあったことを出来るだけフィードバックする。ここに市民の知恵があるということを忘れないでください。

そうすると、フィードバックされたものを見た人が、「私もそういうことなら出来るかもしれない」 「私ならこういうふうにもっとやっているよ」と新たな情報が届きます。

一番大事なことは成果です。具体的なリアリティのある物語をいくつ見せられるかということが、 本当の成果だと思います。

回答:せんだいみやぎNPOセンター(アダプト・シンポジウム2008)

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