沖縄宮古諸島の宮古島の北端からさらに数キロ北に位置する周囲9キロ小さな島、それが池間中学校がある池間島です。島には県内最大の池間湿原や幻の大陸「八重干瀬(ヤビジ)」の巨大サンゴ礁群などがあり、自然の宝庫となっています。 地理的な要因から海岸へ多種多様な漂着物が流れ着き、海浜の清掃活動は重要な課題になってきました。平成13年に平良海上保安署の協力を得て、島の北海岸のカギンミ浜の清掃を行ったのがこの活動の始まりです。
カギンミ清掃
当初は海岸の清掃活動だけでしたが、平成14年からは地域のNPOや保護者とも連携・協力して漂着ゴミの調査も始めました。 漂着したゴミを分別・分類し、種類ごとに数量の統計をとったり、外国から漂着したものはバーコードなどから国名を調べたりしています。海岸の清掃からスタートし、地球規模の環境問題まで関心を持つようになったのです。
クリーンアップ作戦
美術の時間には漂着ゴミでアートを作成したり、漂着ゴミの調査結果を「環境(エコ)探究学習発表会」で発表して、地域の人たちに池間島のゴミの現状や問題点を提起しています。池間中学校の活動は地域の人々にも浸透し、ポイ捨てや不法投棄が減少しました。ゴミの分別やリサイクルへの意識も高まり、島全体がきれいになって観光客にも喜ばれています。 平成16・17年度には文部科学省から豊かな体験活動推進事業の指定を受け、平成17・18年度には本校から沖縄子ども環境大臣が任命されました。
カギンミ清掃
僕たちが「海浜漂着ゴミ調査」をしているところは、池間島の海岸の一つで「カギンミ」と呼ばれる浜です。大小さまざまな流木や、日本製、中国製、韓国製のペットボトルや空缶、ビンなどのほかに、注射器のようなものまで流れ着いたりポイ捨てされたりします。自分たちの島だし、観光客もたくさん来るのできれいで気持のいい浜にしたい。 5月30日に行われる「530運動の日」には、島の人たちも参加して清掃活動を行います。地域の方々も環境問題に関心を持ってくれるようになったので、ゴミ問題が解決する日も近いと思います。
池間島の浜には、じつに色んなものが流れ着くんですよ。時には手がつけられないほどの大きな流木が流れてきたり・・・・。中国や韓国からの漂流物は学校へ持って帰ってバーコードで国番号をつきとめたり、国別、種類別に分別して統計をとったり、漂着物で作ったアート展で発表したりしています。 池間島は宮古島とは陸続きなので、多いときには300台ほどのレンタカーがやって来ます。ゴミのポイ捨ても多いんです。どうしたらポイ捨てがなくなるか、島のどこにゴミが多いのかを調べて地域で発表したため、島の人たちの意識も変わってきました。小さな島でやった小さな取り組みが、こんな大きな賞を受賞できた。これからも息長く続けていきたいですね。
平成13年に、平良海上保安署と池間中学校が協力して海岸の清掃活動が始まったんです。翌年からは、漂着物の調査が始まりました。どういうものがどういうところから流れてくるのか。バーコードなどを調べて国を識別するのですが、結果的に漂流物の世界的なデータ集積に貢献しています。 生徒数は14人と少ないけれど、地域に広がって島の人たちの啓発にも役立っているんです。生徒たちの地味な活動が、大きな成果につながったのは嬉しいですね。島の人たちも喜んでいます。美しい海は池間島の宝。いつまでもきれいに保っていきたいですね。