第1回(2000年度) リサイクル活動部門 最優秀校 協会会長賞 | 公益社団法人食品容器環境美化協会
環境学習支援

第1回(2000年度) リサイクル活動部門 最優秀校 協会会長賞


福岡県久留米市立大橋小学校

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受賞時(2000年度)の活動概要

社会的な課題であるリサイクルやごみ問題に着目し、自分たちが住む学校や地域を自らの手できれいにして、自然や資源を大切にしようと1998年から開始したのが、「リサイクルタイム」。毎週1回、4~6年生が中心となって回収したごみ分別を徹底して行い、リサイクルの知識を磨いている。もうひとつの活動「クリーンタイム」は、近隣にある大橋歴史公園などの清掃活動で、1~3年生が担当する。さらに、集団下校時に通学路のポイ捨てごみを回収する「大橋クリーン作戦」は全校で実施。いずれの活動においても、回収後は、児童も教諭も一丸となって18種類にごみ分別している。これらの活動が定着したことで環境意識が高まり、校区内を流れる巨瀬(こせ)川の清掃ボランティアに参加し、地域住民と交流を深める取り組みに発展した。

受賞から19年後

2019年現在の活動状況

活発な地域コミュニティが児童の環境美化意識を育む

1. 活動の広がり

20年以上にわたり続く美化活動は、学校を取り巻く環境とともに変化しながらも、習慣化された行事として定着している。昨年は、改めて自分たちが住む大橋町の散乱ごみを調査するために、全校を挙げて巨瀬川周辺の清掃活動を実施した(①)。その結果、ペットボトルや空き缶、たばこの吸い殻などの散乱ごみが予想以上に多かったため、毎週木曜、全校を挙げて「ピカピカ運動」を実践中だ(②)。校区を美しくしたいという思いのもと、児童が自主的に登校時に通学路などに散乱しているごみを回収する取り組みで、持ち寄ったごみは回収ボックスに分別する。近隣の大橋歴史公園の清掃活動「クリーンタイム」は毎週月曜、学年ごとに輪番で行いながら、地域を大切にする心や環境意識を育んでいる(③)。

2.環境の変化

かつての巨瀬川は、生活ごみなど不法投棄が目立ち汚れていたが、学校と地域が協力して実施する清掃活動が奏功し、徐々にきれいになっている。児童が毎週行うピカピカ運動やクリーンタイムにより、校区内のポイ捨てごみは減少。整理整頓された校内では、花を育てる「一人1プランター」活動も盛んで、縦割り班で季節の花々を育てている(④)。

3.住民との関わり

地域とのつながりが深く、夏祭りや運動会、文化祭など住民と協力しながら行う年中行事が盛んだ。児童を見守ろうという気持ちが地域全体に培われており、児童の登下校の時間帯は、住民による見守り隊が活躍。そうした地域コミュニティがベースとなり、児童は美化活動に励みながら、愛着心を養っている。

4.これから

地域住民の指導のもと、現在、校区内にある「香気圧広場」において、植樹にも挑戦中だ(⑤)。ギンバイカなど香る樹木を育てて地域活性化を目指す試みで、その一助となる児童たちの活躍が期待される。

環境美化活動に関わる人たちの声

2009年度卒業生 重冨 積香さん(西南女学院大学 保健福祉学部 福祉学科4年)


週に1回行う、朝の時間の近隣清掃が楽しみでした。特に、学校の隣にある大橋歴史公園は、自分たちが遊ぶ場所でもあったので一生懸命にごみ拾いしたことを覚えています。その公園にある桜やつつじが大きく成長したこと、そして今も同じ美化活動が続いていることに驚きました。やればやるほど自分にかえってきて、自信につながる取り組みです。これからも自然豊かなふるさとを大切にしていってほしいです。

学校に隣接する大橋歴史公園は、行事の会場にも使われる地域の憩いの場。全校児童で朝の時間に清掃活動を行う。「緑豊かで美しい環境だと感じるのは、ポイ捨てごみがないからこそ」と思いを新たにする重冨さん。

地域住民 秋永 宰さん(大橋校区 まちづくり委員会 会長)


子どもたちが活発に行う地域の清掃活動や、元気いっぱいのあいさつ運動は、住民に好影響を与えています。受賞当時に比べて、全校児童数は半分近く減少しましたが、その分、子どもと住民の関係が近くなり、子どもの見守り活動などを通して、私たちも学校に協力していこうという姿勢が培われました。こうした関係が続けば、高齢者の見守りにもつながっていくのではないかと感じています。

地域全体が小学校を大事にしようという気持ちが高く、住民たちは協力を惜しまない。ひとり暮らしの高齢者が増える中、「行事を通じ、子どもとの触れ合いを楽しみにしている人も多い」と語る秋永さん。

在校生6年 古川 舞那さん(環境栽培委員長)

6年になって環境栽培委員を始めましたが、私たちが住む大橋町がきれいになり、地域の人たちが喜んでくれることが何よりもうれしいです。時には、汚れたごみに苦労したり、分別が大変だったりすることもありますが、ごみひとつない、みんなが気持ちよく住める美しいふるさとになってほしいという思いで取り組んでいます。

環境担当教諭 炭吉 里保さん

児童の美化意識は高く、言われなくても軍手やビニール袋を持参し、散乱ごみを回収する姿勢が身についています。先日の社会科のフィールドワークでは、町歩きの最中に見つけたポイ捨てごみを、当たり前のように回収していました。地域の方から感謝の言葉をかけてもらえるので、とても励みになり自信にも結びついているようです。

学校長 谷口 健二さん

しっかりした基盤を持つ地域コミュニティの中で育った児童は、環境意識が浸透しています。地域を大切にしよう、環境を守ろう、と改めて言葉かけしなくても、児童は自発的に美化活動に励み、地域のために取り組もうという素地ができているのを日々実感しています。

福岡県久留米市立大橋小学校

住所:福岡県久留米市大橋町合楽1081
電話:0942-47-0069
全校児童数:80名
アクセス:西鉄久留米駅からバスで約20分

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