2019年2月
第19回環境美化教育優良校等表彰事業において、全国の小・中学校の中から優良校に選ばれた掛川市立上内田小学校の授与式が行われました。この表彰に関して、静岡地連にご協力いただきました。
表彰授与に際し、コメントをいただきました。
◆ 原田 英明 校長先生
『本校では、平成11年度からアルミ缶回収を始め、本年度で20年目を迎えます。
この間、集めたアルミ缶をリサイクル業者に回収、換金していただき、その収益金で車椅子を購入し、地元の市立病院や社会福祉協議会への寄贈を続けてきました。2台購入できた年も多く、本年度までで合計34台の車椅子を寄贈してきました。
回収は、毎週1回子どもたちが各家庭から出たアルミ缶を持ち寄りますが、長年の取組によって地域にも活動が浸透し、本校児童がいない家庭が児童の家に届けてくださったり、直接学校までお持ちいただいたりすることもあります。自治会の活動として、祭典開けや正月明けに自主回収をしてくださり、学校まで届けてくださるようにもなりました。今年度からは、車椅子の寄贈先の病院からも回収が行われています。
掛川市は「報徳の教えの根づく街」として、『積小為大』の教えを随所で説きますが、正に本校のアルミ缶回収活動こそ、積小為大そのものです。日々集めていたアルミ缶が車椅子に換わり、外部機関の方に寄贈される様子を目の当たりにした子どもたちは、「来年度もまた寄贈できるようにがんばろう」という気持ちになります。「何気なく捨てられそうになるアルミ缶を、1つでも捨てずに持ち寄ろう」という気持ちになります。20年続く伝統をまたつなげようと、来年度の寄贈に向けての回収が既に始まっています。』
◆ 服部 賢治 氏(静岡地連・キリンビバレッジ株式会社)
『今回の表彰式と同時に、車いす2台の贈呈式があり、同校のリサイクル活動が地域医療にしっかりつながっていることがよくわかりました。また同時に生徒によるリサイクルのクイズも催され、皆が真剣に回答していたことも印象的でした。生徒一人一人にこの活動が落とし込まれていることを感じました。地元を巻き込んだこの主体的な素晴らしい活動、是非今後とも継続していっていただきたいと強く思いました。』
20年間継続してアルミ缶回収活動を行っている。収益金で車イスを購入し、今まで32台を福祉施設などに寄贈してきた。長年にわたる活動なので地域にも広く浸透し、住民がさまざまな形で協力している。リサイクル意識が向上した児童は、環境にちなんだ寸劇やクイズを行いながらモチベーションを高め、地域のために通学路やガードレールの清掃にも励む。