第18回(2017年度)環境美化教育優良校等表彰(審査委員長講評) | 公益社団法人食品容器環境美化協会
環境学習支援

第18回(2017年度)環境美化教育優良校等表彰(審査委員長講評)



審査委員長
東京学芸大学名誉教授
東海大学大学院客員教授
小澤 紀美子 氏

 審査委員を代表して、講評を述べさせていただきます。
 本日、最優秀賞を受賞された小学生のみなさん、並びに学校の先生方や関係者のみなさま、まことにおめでとうございます。

 今回私どもは審査をするに当たり、4つの評価基準を設定いたしました。1つ目は、独創性があり、継続的・持続的に進めていることです。2つ目は、活動内容が客観的根拠を持ち、科学的・実践的な学びと結びついていることです。そして、3つ目は、地域社会と連携していること。この視点はとても大事で、小中学生が自分と社会、地域とのつながりの中で自分を見出し、かつ世界へ目を向ける段階として自己を確立していくときに、地域と連携することで自分自身の骨格を作る大切なステップだと考えています。最後は、活動の広がりです。本日受賞された4 校の取り組みは、先ほどの表彰式の際の活動映像を通して、創意工夫をしながら学びが教室を超えて広がっていることを実感いたしました。

 文部科学大臣賞の受賞校では、年間計画を立て、多岐にわたる環境課題を学年に応じたテーマで環境教育とリンクさせながら、住民とともにその解決に向けて工夫して取り組んでいます。このことは、文部科学省が改革している基本的な学びのプロセスそのもので、アクティブラーニングによる深い学びにつながっています。
 農林水産大臣賞の受賞校は、湖へつながる地域の田んぼで米作りを行いながら、その中でコイやフナを育てる活動を通じて、農林水産業と環境のつながりを学び、地域住民とともに湖の環境を守ろうという連帯を生んでいます。環境大臣賞の受賞校は、ごみを視点に活動を始めたのを機に、花のプランターづくりによる地域美化を通した災 害復興や、住民との交流を深めた伝統文化の学びに発展しています。
 協会会長賞の受賞校は、ごみ抑制など環境活動の行動目標計画に基づき、エコだけではなく子どもたちの笑顔が輝く素晴らしい取り組みに発展しています。

 また、最優秀賞の受賞校以外でも、ウミガメ保護のための清掃活動や野鳥保護に向けた里山整備など、地域を巻き込んだ活動が行われていました。こうした学びは、学習プロセスを通じて、児童や生徒、学校が地域の方々と協働して学び合いの関係性を構築しています。教科書だけで学ぶのではなく、地域全体が「屋根のない学校」となっていることに感動いたしました。

 世界に目を転じると、2030年に向けた持続可能な開発目標「SDGs」が掲げられました。目標達成するために17項目に及ぶさまざまな課題が設置されています。本日受賞されたみなさんの取り組みは、このSDGsの視点で見ると、まさに地域を飛び越え「世界が屋根のない学校」になるための活動につながると考えています。ぜひ、受賞校が取り組む様子を全国に発信し、日本全体に広がることを祈念いたしまして、私の講評とさせていただきます。本日はおめでとうございました。

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