地域とともに励むエコ・ピカプロジェクトが充実感・一体感醸す
高崎 IC の近くに位置する同校は、1873 年に創立された古い歴史を持つ。親子 3 代にわたって通う家庭もあるなど、地域に根差した教育を進めるかたわら、2009 年に市が取り組む学校版 ISO に参加。それを機に、低学年にも理解できて自然に続けられるように「エコ・ピカプロジェクト」と名付けた多様な環境改善活動を開始した。そのひとつが、毎月 1 日を環境デーに設定し、登校時にアルミ缶や牛乳パックなどを回収・分別する取り組みだ。環境美化委員を中心に、校内放送を始めチラシを作成するなどして地域にも呼びかけた結果、学校に持ち寄る住民の協力体制が整い、月平均 500 余名が参加している。
また、毎月第 1 火曜日を「花いちりんの日」と決め、家庭や道端などに咲いている花を学校に持ち寄り、校内を花でいっぱいにする運動を行っている。花壇では、栽培委員が季節の花々を咲かせるなど、豊かな環境づくりに励む。加えて、節電や節水にも率先して取り組んでいる。昨年は、使用しない電気の消灯を促す「PPK(パチパチ消す)キャンペーン」を児童が考案し、寸劇を披露しながら環境改善に一役買った。
そうした主体性を培いながら意欲的に関わる態度を養う中で、地域住民との連携も活発化。校区が広範囲に及ぶ同校では、通学班のエリアごとに、毎年 800 人前後が地域のクリーン活動に参加している。気持ちよく 2 学期が迎えられるようにと夏休みの最後の日曜、児童は保護者や住民とともに通学路の清掃にいそしむ。住民同士のきずなが強く、児童の登下校時には、毎日安全パトロールを務めるなど協力を惜しまない。住民の反町朱實子(すみこ)さんは、「子どもたちが取り組む小さな積み重ねが、地域に広がっていて、お互いに環境について学びあっていけたらうれしい」と力を込める。地域全体で協力し合って進める美化活動が、社会貢献につながり、児童に一体感や充実感をもたらしている。
群馬県高崎市立京ケ島小学校のみなさん
「みんなで長く、まじめに、コツコツと積み重ねてきた環境美化に関する取り組みが、最優秀賞という形で評価を頂いたことをただただうれしく、そして感謝を申し上げます。」
群馬地方連絡会議 サッポロビール株式会社
群馬工場 副工場長兼総務部長 安達 一郎 氏(写真左)
「群馬県では、環境活動を始めさまざまな政策を進めています。一つひとつ積み重ねてきた結果が今回の受賞につながったということで、この場に同席できたことを大変うれしく思います。」