第26回(2025年度)環境美化教育優良校等表彰(審査委員長講評) | 公益社団法人食品容器環境美化協会
環境学習支援

第26回(2025年度)環境美化教育優良校等表彰(審査委員長講評)



審査委員長
 東京学芸大学名誉教授
 小澤 紀美子 氏

 審査員を代表して、講評を述べさせていただきます。まず審査のプロセスに関しては、事前にご提出いただいた資料に目を通して、4つの基準で審査委員が各自評価しました。その後、審査委員一同が集まって、忌憚のない意見交換を行って進めてまいりました。4つの評価基準は、①独創性があり、継続的・持続的な取り組みであること、②活動内容が客観的根拠を持って科学的・実践的な学びと結びついていること。単に清掃活動をするだけではなく、各教科や学習過程に結びついているということです。③地域と連携していること、④活動が広がっていること、です。容器をリデュース・リサイクルする活動にとどまらず、「学びが広がり深まっている」ことが重要で、こうした視点から評価を行いました。

 文部科学大臣賞を受賞した「宮城県南三陸町立名足小学校」は、東日本大震災で被害を受けた後も近隣の学校の校舎を間借りしながら、学びを継続していたことに感銘を受けました。現在では地域がかかげる「ひと・森・里・海・いのちをめぐるまち南三陸」へ挑戦して地域循環型社会の醸成を目指しています。「総合的な学習の時間」を中心に合科的に発達段階に対応した確実な学習活動を展開し、地域の大人への「生きる力」となり、ウェルビーイングな学校づくりにとどまらず、地域の希望の星として成長している取り組みが高く評価されました。

 農林水産大臣賞を受賞した「鹿児島県阿久根市立脇本小学校」は、海岸清掃の美化活動により、ウミガメやシロチドリの保護にとどまらず学習を発展させています。具体的には、ウミガメ学習やシロチドリの産卵への支援としてヘビからヒナを守る草刈と生態系の学習、さらに干潟の食物連鎖の学習と海洋ゴミやマイクロプラスチック回収実験など地域の自然や生態系を通して、throughの概念で、深い学習へつなげていることが評価されました。

 環境大臣賞を受賞した「新潟県長岡市立寺泊小学校」は、環境の課題に対する学習活動が体験のみならず、SDGsへの課題解決を意識した内容に変革し、児童の発達段階に配慮して「海の活動」や「主体的に取り組む」学びに変革し、地域の方々の共感も増え、「多様なつながりを生み出し」、系統的な学びが実践されていると評価されました。

 特別賞 協会会長賞を受賞された「沖縄県伊平屋村立伊平屋中学校」は、恵まれた伊平屋島の豊かな自然環境を未来へつなげる活動と学習を深め広げていき、持続可能な未来への視野を広げて、世界が抱える貧困問題やSDGsへの実践的学びのつながりを確実にしていることが評価されました。

 今回、各都道府県から推薦された学校の児童生徒は、学校という閉じられた空間だけで学んでいるのではなく、地域の中で、大人も含めた方々と相互に「学び合い」が行われていること、さらに、児童生徒は地域とのつながりを実感しながら自己肯定感を育んでいること、自己を確立していることを実感しました。と同時に、地域が「屋根のない学校」として機能しており、「学びは未来への希望」であることをあらためて認識することができました。

 なお今回の応募には「支援学校」の推薦が複数見受けられましたが、教育・学習に「ケア」という概念が必要になってきているように思います。私自身、今回の審査を通じ、「ケア」という概念をもう少し広い意味で捉えながら考えていく「問い」を深めていきたいと考えております。

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