文部科学省 初等中等教育局
視学官 藤枝 秀樹 様
受賞された皆様、誠におめでとうございます。環境問題は持続可能な社会を構築していく上で重要な課題です。昨年6月に閣議決定された第4期教育振興基本計画では、持続可能な社会の担い手を育成するため、小中高等学校における教科等横断的な環境教育を推進することや、地域等においても、環境保全についての理解を深め、持続可能な社会づくりへの意欲等を高めるために、自然体験活動や農山漁村体験等の活動を行うことが重要としております。
今回、文部科学大臣賞を受賞された「鹿児島県屋久島町立金岳小中学校」におかれましては、小中併設校の特徴を生かし、SDGsの視点を取り入れながら島民参加の下で、清掃活動に取り組む一方、漂着ごみ問題を学習素材としており、その学習成果を県内外の学校に発信し、相互交流を図っていると伺っています。ESD、SDGsの視点に基づいたカリキュラムマネジメントにより、環境教育やキャリア教育等を中心に据え、児童生徒に物事を多面的に考える力を身に着けさせることができており、文部科学大臣賞にふさわしい活動として評価されたと考えております。その他、自治体から推薦された各学校におかれましても、特色を生かした取り組みが実践されており、これらの取り組みが広まることで今後の環境教育の一層の充実発展に寄与することを期待します。
農林水産省 大臣官房 新事業・食品産業部 外食・食文化課 食品ロス・リサイクル対策室
課長補佐 川端 匡 様
本日受賞された学校の皆様、誠におめでとうございます。今年度の最優秀賞は、4校いずれも海岸での清掃活動を中心とした環境美化教育を行っているという点、また、拾ったごみについて、内容の分析や実験、楽器等にリサイクルして地域の方に情報発信するといったように、清掃活動を基点としたさらなる取り組みに特徴がみられました。
今回、農林水産大臣賞を受賞された「青森県鯵ヶ沢町立舞戸小学校」は、恵まれた環境を生かして、「海洋環境保全学習」、「鰺ヶ沢町小中一貫ふるさと学習」、「食に関する学習」を横断的総合的カリキュラムとして実施し、農林漁業における環境保全の意義や、地域財産の未来への継承の学びにつなげている点が高く評価されました。その中の「海洋環境保全学習」では、海岸に漂着したごみを回収し、そのごみの種類を調査したり、漂着ルートを海流から推測したりしていると伺いました。さまざまな環境問題の中でも近年、海のプラスチックごみへの関心が急速に高まっています。日本はもちろん、世界の各国は、不法投棄対策やごみ削減、リサイクルを進める等の政策を打ち出し、環境保全に努めておりますが、これは一人一人の協力があってこそ実現できるものです。皆様におかれましては、このような学習で学び、感じたことを日頃の生活に生かして頂ければと思います。そして、20年後、50年後、100年後、皆様やその後の世代の方々が、よりいっそう豊かな環境の下、生き生きと暮らしていることを祈念いたします。
環境省 環境再生・資源循環局 総務課 リサイクル推進室 兼 循環型社会推進室
室長 近藤 亮太 様
今回受賞された皆さん、おめでとうございます。私は今まで、さまざまな地域の環境保全活動を見てきましたが、地域の環境をよくする活動をしているところは、環境のことだけを考えているわけではないということが実感としてあります。地域をいかに元気にしていくか、地域の子どもたちのことをどう考えていくかなどについて、地域全体で考えているところは、環境保全活動も長く続いています。かつて警察庁に出向していた時に、私は小中学校の登下校の防犯対策にも携わっていたことがありました。犯罪が起きた地域に行ってみてあらためて感じたのは、環境のことを考えて活動している地域は、犯罪が少ないということです。ごみが落ちていない、地域の人が目を光らせている場所は、いい地域であり、いい環境です。こうした環境、防犯を含め、地域をよくしていく活動が一体となって、「地域の力」になっていくのだと思います。
本日は、企業の方も多くいらっしゃいますが、昔に比べて、将来や子どもたちのことを考えて事業活動を行っておられ、自分たちは何ができるのかを足もとから考え、地域の人たちと協力しながら取り組みを進めていただいていることに感謝申し上げます。今日、受賞した皆さんは、そうした事業者にも発信していくことで、さらに輪が広がり、必ず地域に成果を出せると思います。今後も、積極性や自発性をなくさないように成長され、社会で活躍して頂くことを願っています。