仙崎中学校のある長門市仙崎地区は山口県の北長門国定公園の一角に位置し、観光と漁業で栄えてきた自然に恵まれた地域です。 地理的な要因で国内外から海岸に漂着するゴミが多く、地区内の道路や花壇に散乱するゴミなどをいかに解消するかが地域の人たちの長年の課題になっていました。 生徒たちがこの問題に目を向け、昭和62年頃から生徒会や学校行事、さらに部活動のグループなどで自主的な清掃活動を行うことにしました。
市の企画する町の美化、よい景観づくりにも積極的に参加しています。たとえば、市商工観光課主催の海岸清掃(7月)、青海島清掃(8月)、市生活環境課主催のクリーンウォーク(7月)、仙崎小学校、水産高校との3校及び老人会、婦人会で行う合同奉仕作業(11月)など。 さらに、夏休み中は部活動のグループが駅舎やゴミ収集を行うほか、3年生は総合的な学習の時間のテーマ学習(環境学習)で自主的な清掃活動を行っています。
海岸に漂着するゴミの中には国外からのものも多いので、国際社会の進展について考えたり世界的な視野に立って環境を考えるチャンスになります。 詩人金子みすずのふるさとで観光客も多く、地域の美化活動を進めることは生徒にとってはふるさとを再認識するよい機会となっています。
アジアからの浮遊物には、本当にいろいろなモノがありますよ。そういうのが海面にプカプカ浮いている光景を見ると、とても残念に思います。ぼくたちの町で生まれた大正の童謡詩人・金子みすずは、こんな「大漁」という詩を残しています。 朝焼け小焼けだ大漁だ 大羽鰮(おおばいわし)の大漁だ 浜は祭りのようだけど 海のなかでは何万の 鰮(いわし)のとむらいするだろう 海をきれいにするためにぼくらが責任を持って清掃に取り組み、ゴミのない素晴らしい町にしていかなければいけないと思っています。
長門市は国定公園の中にあり、古くから水産都市として栄えてきました。海、そして場所的に大陸とのつながりも深いのですが、残念なことに海岸には国内外から漂着するゴミがたくさん溜まってしまうのです。観光地なのにこんな状態でいいのか・・・・。海岸の掃除をしようと、生徒たちは港湾業者の船に乗って海に浮遊しているゴミを取りにいったりしています。 清掃活動は市や地元の小学校、高校などと一緒に地域をあげて行っています。夏休みには野球部がユニフォーム姿でゴミ収集にあたるというように、部活動ごとに自主的に取り組んでいます。 ここは安部首相の出身地ですから、町も海もきれいにして美しい日本にしたいですね。
当初は、仙崎中学校と地元の2つの小学校、公民館などが「一緒にやろうじゃないか」と連絡協議会をつくってスタートしたと聞いています。せっかくやるのだから地域にも呼びかけてやろうということで、市の観光課や環境課と一緒にやったりお年寄りとの触れ合いを通じて発展してきました。 最近は釣りに来ている人や、水産高校も参加して大きな輪となって広がっています。さらに老人会や婦人会などさまざまな年齢の人との交流も進み、温かい触れ合いの中でそれぞれが協力し合ういい雰囲気が生まれています。