松原小学校の校区を流れる小牧川は、自転車や家電製品の不法投棄や空き缶などの投げ捨てで、 河川水質調査の結果では平成8年から4年間「県内でもっとも汚れた川」として有名でした。 川で遊んだ経験がもほとんどなく、川の汚染に対する関心も低い。 そこで、昔の子供たちがやっていた「ざっこしめ」と呼ばれる魚捕りの遊びをきっかけに、川に親しみ川を大事に思う子どもを育てるための活動を始めました。
ざっこしめ
川底の調査を行った子供たちは、いまでも多くの魚を捕まえられることに驚きました。捨てられた空き缶やペットボトルなどの「ゴミ」が多いこと、そしてゴミには魚の稚魚やドジョウが棲んでいて空き缶やペットボトルが魚の「棲み家」になっていることに気づきました。ゴミを拾えばきれいな川になると思っていた子供たちにとっても新鮮な驚きでした。
地域の方といっしょの清掃活動
年間107時間の「総合的な学習の時間」のうち4年生は60時間、6年生は50時間。地域住民や保護者の方々は、子供たちの活動における「地域の先生」となっています。川の今昔を語り、魚の名前を教え、子供たちと一緒に川に入り、自身も楽しみながら活動を後押ししています。いまでは小牧川の浄化運動は、「ホタルの舞う小牧川にしたい」という運動へと発展してきています。
小牧川の学習を「松原祭り」で発表
ぼくたち4年生は「小牧川探険隊」で参加しました。きたなそうに見える川にもいっぱい生き物が棲んでいることがわかり、びっくりしました。 お年寄りの話によると、昔は、小牧川にもホタルが飛んでいたそうです。調べてみたら幼虫が棲んでいることがわかり、「ホタルの舞う小牧川にする」運動を始めました。 今年は3匹が飛びました。もっと大がかりな仕掛けを作って、来年の夏はもっとたくさんのホタルを飛ばしたいと思います。
小牧川をきれいにしようという活動は4年生から始めます。実際に胴長ぐつをはいて川に入ってみるとボラやナマズがいっぱいいることに気づき、びっくりしたり喜んだりです。そんな姿を、3年生は「来年はぼくたちの番だ」と楽しみに眺めていますよ。 酒田には海もあるんです。6年生は潜水具をつけて海に入り、みなと研究会の援助でハタハタの孵化の研究にも取り組んでいます。 小牧川にホタルを取り戻そうという運動も始まりました。単なる浄化運動でなく、生き物とのつき合いを通じて命の学習ができるのはとてもいいことですね。
酒田市では、子供たちの学習に合わせて地域の環境をよくする活動を進めています。松原小学校だけでなく、他の学校も市の関係者や県の砂防課などと一緒に川や海、海辺の松林をチェックして環境の保全に取り組んでいます。松原小学校の運動は、こうした地域ぐるみの活動の中でも代表的な取り組みであることが大きな特長です。 小牧川は県内でも有数の汚れた川でしたが、松原小学校の取り組みでみごとに再生するところまでこぎつけました。活動の効果は着実に表れていますね。 来年は小牧川にホタルが舞うと聞いていますので、大いに楽しみにしています。