小玉川小学校は岩手県北部の山間の町、軽米町にある児童数23名の小規模小学校です。校区の所帯数は100戸余り。平成4年より児童会が主体となって、環境保護活動の一環としてアルミ缶回収活動に取り組み始めました。校区の人々にも賛同をいただき、地域全体のリサイクル活動に発展してきています。活動は給食の牛乳パックの回収にまで広がり、子どもたちの環境保全の意識も高まっています。
金曜日は缶曜日
アルミ缶回収の収益金に自分たちで栽培したサツマイモなどの販売収益金を足して車椅子を購入。軽米町の特別養護老人ホーム「いちい荘」に寄贈してきました。平成20年2月には2台の車椅子をプレゼントし、合計7台になりました。1台分の費用が貯まるには800キロ、約3万2000個ものアルミ缶が必要です。以前は貯まるのに数年かかることもありましたが、最近は地域の人たちからの協力を得て1年間で実現。施設利用者の方々との交流も楽しんでいます。
個数を確かめ山積みになったアルミ缶
環境問題に目を向けさせるための活動として「生活科」や「総合的な学習時間」の年間行動計画の中へ1・2年生は「学区の自然」、3・4年生は「川の環境」、5・6年生は「森林の環境」をテーマとして学習を進めています。さらに、学校林を守る活動や花壇づくり、作物栽培体験活動などを通じて環境を大切にしようという意識が確実に高まっています。
花壇に花を植えみんなでお世話
集まった空き缶の整理をみんなで
ぼくたちの小学校は、平成20年の3月で閉校になり、小軽米小学校と統合されます。アルミ缶を回収して「いちい荘」に贈るという活動もぼくたちで最後。6台目を贈ろうと、この1年がんばってきました。校区のみなさんの協力のおかげでなんとか実現できそうでうれしいです。後輩たちは、新しい学校へ移っても、環境を大事にする気持は忘れずに持ち続けていってもらいたいと思います。
みんなの協力で車椅子を
アルミ缶回収で得た収益金で車椅子を購入して福祉施設に贈る。環境問題に関心を持ち、社会にも目を開くという意味で、非常に意義のある活動だと思ってきました。こうした活動は継続性、発展性が大切ですが、学校の存続が平成20年の3月まで。残念ですが、精神は統合後の学校へも引き継いでもらうことになりました。最後の1年で輝かしい賞を受けられたのも、地域のみなさんのおかげです。地に着いた活動が統合後も受け継がれていくことを嬉しく思っています。
回収業者へまもなく出発
小玉川小学校の隣に住んで、何十年も子どもたちの姿や声を見聞きしてきました。回収の日には私も立ち合って手伝いをしましたが、いつもしっかり挨拶して、年寄りを大事にしてくれました。6台目の車椅子を贈ることになったとか。最後だからがんばったんですね。輝かしい賞ももらえてよかった。個人的には、音楽や体育の授業で聞こえてきた元気な子どもたちの声が聞けなくなるのがさびしいです。