広島県福山市立能登原小学校は、広島県東部の瀬戸内海沿岸部に位置し、穏やかな気候の中で地域の環境を守る為の教育を行っています。30年以上の素足伝統を持ち「歩く子 走る子 素足の子」をキャッチフレーズに、健康な体づくりにも取り組んでいます。
「能登原エコキッズ」と呼ばれる教育活動の一つ、「クリーン作戦」は年3回、全校児童・保護者・地域住民が一緒になって、学校から海岸、阿伏兎観音の参道までの清掃活動を行います。
また海岸や参道にゴミが散乱しないよう、子どもたちの手で環境美化ポスターも作成し、啓発も行ったり、食品トレーの回収等、多様な活動を行っています。
「クリーン作戦」での清掃活動。集めたゴミはきちんと分別し、ポスターによる啓発も行う
さらに能登原小学校では、地域の人や行政機関からゲストティーチャーを招き、出前授業を行っております。その内容は、「脱温暖化ぬまくまフォーラム」による地球温暖化防止の学習や、浄化センターによる水の大切さを学ぶ等といったものです。
こうして環境について、家庭・地域・学校が連携して、児童たちがその大切さを学び、児童たちが主体性を持って積極的に行動することで、能登原の美しい環境を守る努力が続けられています。
校庭での出前授業。太陽光を使った特別なフライパンで目玉焼きを作っている
能登原小学校という海のそばの小さな学校が、全国でこんなに大きな賞をもらえて、とてもうれしいです。
たくさんの人たちからお祝いの言葉をいただきました。この賞がもらえたのは、地域の方々や今まで環境活動を続けてきた先輩たちのおかげだと思っています。私たち6年生はもうすぐ卒業しますが、これからも環境活動は続けていきたいです。能登原小学校のみんなも活動を続けてくれると信じています。
そして、私たちが大人になっても、今のままのきれいな能登原であってほしいと思います。
学校、保護者、地域が一体となって活動し、地域の環境美化に貢献している
このたびの最優秀校受賞は、子どもたちだけでなく、福山市をはじめ能登原地域の皆様ほか、本当に多くの方々に喜んでいただくことができました。何代もの校長先生方が活動を引き継いでこられ、学校だけでなく、保護者・地域の皆様の協力を得て続けてきた環境活動です。
暑い夏も、寒い冬も、1年を通じてほとんどの時期を素足で過ごす子どもたちだからこそ、環境を大切にする価値を知っています。美しいくちなしの瀬戸の海を、毎日見て暮らす子どもたちだからこそ、自然を守ることの価値を知っています。
大人になってもその気持ちを忘れず、能登原を愛し、環境を守る活動に積極的に取り組んでおられる地域の方々に感謝するとともに、これからの学校教育の柱となる環境活動に力を注いでいきたいと思います。
そして、環境美化を進んで行動化できる子どもたちが育ち、能登原の環境活動を発信していけたらと考えています。
本校の活動を認めてくださった主催者の皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
クリーン作戦開会の様子。学校周辺、海岸・港周辺等の清掃活動を行っている
最優秀校受賞して大変うれしく思います。私も能登原小学校卒業生の1人として、受賞内容以外にも、子どもたちが地域の方々にとてもお世話になっていることをよく知っています。
でも、子どもと一緒に東京での表彰式に行かせていただき、表彰状を手にしたわが子を見たとき、改めて、能登原を愛し、子どもたちを進んで手伝ってくださる地域の皆様に感謝しなければ、と思いました。
以前、水道水の水質検査をしてもらったとき、能登原は、他の地域に比べて大変水がきれいだと言われたことがあります。今思うと、こうしたこと1つとっても、住む人たちみんなが、能登原という町を住みやすい町にしようとしている思いや行動の結果であり、今回の受賞にも繋がっていたのかもしれないと思いました。
環境活動は、毎日少しずつの積み重ねです。保護者も子どもたちに負けないように、能登原の環境を守る活動を続けていかないといけないと思っています。
児童が作成した環境ポスターを地域の方々が設置し、積極的に啓発活動を行っている