当ページでは、一般の方や活動団体の方に関するアダプト・プログラムに関するよくある質問をまとめてあります。
『アダプト・プログラム』とは、市民と行政(県や市町など)が協働で進める「まち美化プログラム」です。アダプト (ADOPT)とは英語で「○○を養子にする」の意味。
一定区画の公共の場所を養子にみたて、市民がわが子のように愛情をもって面倒をみ(=清掃美化を行い)、行政がこれを支援します。 市民と行政が互いの役割分担を決め、両者のパートナーシップのもとで美化を進めます。
「アドプト・プログラム」ともいいます。
「アダプト・プログラム」のイメージ図
→関連リンク: 「まち美化アダプト・プログラム」とは(リンク)
基本的な仕組みは、
・場所を特定する(○○公園、河川敷○○m、道路○○m、など)
・市民と行政が役割分担を決める(市民は活動内容、行政は支援内容)
・継続的に清掃美化する
という活動です。また、その内容を合意書の形で確認しあいます。
・市民と行政が協力しあって行う(=協働で行われる)活動である点
・合意書を結び、場所を特定し、市民と行政の役割を明確にする点
・1回きりのイベント的な清掃活動ではなく、地域に根差した継続的な清掃活動である点
・サインボードを掲げ制度をアピールする点
などが挙げられます。
食環協はアダプト・プログラムの登録機関ではありません。
アダプト・プログラムは自治体ごとに導入されているまち美化システムです。対象となる場所、活動内容、支援内容は自治体の制度によって様々ですので、 詳細はお住まいの自治体にお問い合わせください。
食環協が把握しているアダプト制度一覧はこちらです。プログラム名をクリックすると担当課や対象となる場所をご覧いただけます。
→関連リンク: 「アダプト・プログラム導入概況一覧 (全国普及状況)」(リンク)
ポイ捨てやごみの散乱などによりまちが汚くなると景観が悪くなるだけでなく、衛生面でもよくありません。また、 清掃にかかる費用も増えます。リサイクルすれば資源として有効に活用できるものが無駄になってしまったり、河川や海洋汚染の原因になる等、様々な理由があります。
また、まちを汚れたまま放置していると「誰もこの地域に関心を払っていない」というサインとなり、犯罪を起こしやすい環境を作り出します。 ごみのない環境を保つことで防犯にも繋がる(割れ窓理論)とも言われています。
→関連リンク: 「どうしてポイ捨てしちゃいけないの」(まち美化キッズ・特設サイト)
→関連リンク: 「なぜまちをきれいにするの」(まち美化キッズ・特設サイト)
タイラー・シヴィタン・グループ
アダプト・プログラムの起源はアメリカの「アダプト・ア・ハイウェイ・プログラム」です。1985年にテキサス州で生まれました。現在は全米に広がっています。 テキサス州のタイラー・シヴィタン・グループ(Tyler Civitan Group)が世界で一番初めに参加した団体です。
→関連リンク: 「アメリカのアダプト・プログラム」(リンク)
日本におけるアダプト・プログラム第1号は徳島県神山町です。1998年に、民間団体が中心となり、アメリカのアダプトを参考に道路の清掃活動を開始しました。 この取組はマスコミにも取り上げられ近隣の市町村や、他県にも広まり全国的な展開が進みました。
「アダプト・プログラム」のほかに、「まち美化パートナー」「クリーンサポーター」「道路(公園・河川)ボランティア」など、 市民が制度の内容をわかりやすいような名称をつけている自治体も多いです。
2015年3月現在、食環協が把握しているアダプト・プログラムは、全国で550以上あります。47都道府県すべてのエリアにアダプト・プログラムが稼働しています。
行政から、清掃用具やごみの処分料の減免、ボランティア保険の加入、サインボード等によるPRなどの支援を受けることができます。
行政の制度に登録することで、活動に対し、周囲から信頼を得られるようになったという声もよく聞きます。
また、継続的に清掃活動を行うことは、まちがきれいになることはもちろんですが、環境美化への啓発効果(きれいな場所にはポイ捨てしずらい、 自分がポイ捨てしなくなったなど)や、地域へ愛着心が増すなど様々な成果・効果が認められています。
■「まち美化」「ポイ捨て防止啓発」
まず第一に、まちがきれいになります。
「ごみがごみを呼ぶ」といいますが、きれいな場所にはポイ捨てしづらいこと、 ごみを拾うという行動自体大変なことですから活動した人がポイ捨てしなくなるなど、『啓発』の効果もあります。
→関連リンク: 「導入効果測定調査」(リンク)
■ 地域のコミュニケーションの場
活動を通して地域の交流を深めたり、高齢者の活躍の場になったり、障害者の社会進出の場になったりと、市民が活躍することでまちが活性化するなどの効果もあります。
■ 高齢者の活躍の場
高齢者が多い地域では、井戸端会議の場となり日々の楽しみが増えたり、活動に姿を見せない場合の安否確認(病気でないか、どこか悪いのかなど)のサインにもなります。
■ 「防犯」「防災」など
日ごろから手入れがされている場所では、人目があることから防犯効果も期待できます。 ごみを拾いながら地域の見回りを実施している団体もあります。また、日ごろから地域の人とのコミュニケーションをとり地域力を培うことで、いざというときに役立ちます。
■ 環境問題への入り口
世界で起きている環境問題を自分の問題として考えるきっかけになれば、という思いでアダプトを設けている自治体もあります。 ごみ拾いや環境美化活動を通じて、身近な環境に触れることで、世界で起きている環境問題を自分のこととして感じることができます。 また、ごみを拾うこと、ポイ捨てしないこと、リサイクルにできるものはリサイクルするなど適正処理を行うことは、環境問題解決のための第1歩です。
■ CSRの一環として
ゴミ拾いは身近で活動を始めやすく、継続しやすいため、CSRの一環として参加する企業も多いです。清掃活動を通じて近隣の方とのコミュニケーションの場となったり、行政との連携が円滑になるなど、企業がアダプトに参加するメリットは多くあります。