地道に積み重ねた美化活動が新たな地域おこしに発展
海沿いに海浜植物が咲き誇る種差海岸は2013年、三 陸復興国立公園に指定された。その景勝地に抱かれる ように建つ同校では、国立公園認定の20年以上前から さまざまな美化活動に取り組んできた。1991年から開 始したのが「ごみ拾い登校」で、児童は通学路に散乱し ているペットボトルなどを回収しながら登校する。住民 の協力を得て行うアルミ缶リサイクルも、長年にわたる取 り組みだ。こうした活発な活動は社会性をも磨き、児童 はいっそう地域へ目を向けるようになった。2009年から は地域団体の指導の下、海岸沿いに繁殖する特定外来 生物「オオハンゴンソウ」の駆除を開始。同校が参加し たのが契機となり、他校や住民の協力体制が整った結 果、駆除の効果が現れてきた。地域を自慢できるように なった児童は、観光客をおもてなししようと、地元産のふ のりや海藻を使用したお菓子を作って販売するプロジェ クトをスタートさせた。同校の児童数は26名と減少を続 けるが、地域の積極的な支援を受けて、ふるさとを守り 育てる地域おこしに発展している。