第15回(2014年度)「環境美化教育最優秀校」活動紹介

第15回(2014年度)「環境美化教育最優秀校」活動紹介TOP 公益社団法人食品容器環境美化協会

審査講評 審査委員長 東海大学教授 東京芸術大学名誉教授 小澤 紀美子氏


 本日最優秀賞を受賞されたみなさま、おめでとうございます。

 本年は昨年に引き続き各都道府県から推薦された小中学校から4校を最優秀校として選出いたしました。
その4校を選出するにあたっては、事前に評価の基準を4つ設定しておりました。まずひとつは、環境美化 教育に独創的に継続して取り組んでいることです。ふたつめが、客観的事実に即し科学的にアプローチして いることです。そして、地域社会と連携していることも大事な視点とさせていただきました。といいますの も、小学生は自己を確立していくときに、地域社会と連携することにより自分自身の骨格を作っていくこと につながり、中学生においても、自分と社会や地域とのつながりの中で自分を見出し、かつ世界へ目を向け る段階としてとても重要なステップであるといえるからです。4番目の評価基準は、活動の広がりです。公 共空間の清掃美化や飲料あき容器などのリサイクルを実践すると同時に、地域の環境美化の啓発に寄与し、 活動や学びが広がっているかなどの視点で評価していくことを決めました。

 今回、最優秀校に選ばれた学校においては、いずれも、地域のおかれた環境や文化を踏まえ、先輩たちの 活動を継承しながら、環境教育や地域の豊かな資源に着目した教育の中で展開がなされておりました。

 とくに、文部科学大臣賞を受賞された岩手県盛岡市立下橋中学校につきましては、「気付き、考え、実行 する」という学びのプロセスを踏んでおり、環境美化活動を通じ自己を確立しながら地域に広がっていく素 晴らしい活動でした。これは、文部科学省が謳っている基本的な学びのプロセスそのものであり、アクティ ブラーニングともいえる取り組みです。また、同校の中学生は、小学校に積極的に出向く活動を行うこと で、小学生の育ちのモデルとしての役割を果たしている点も高く評価されました。

 今回は、最優秀賞を受賞された学校以外の各校においても、ふるさとの山の管理を通じて川や海の環境保 全を認識するという課題対応や、リサイクル活動を通じて世界につながっている活動、水生生物との触れ合い で環境保全の大切さに気付くといった経験など、具体的課題に着目した素晴らしい取り組みがありました。

 こうした活動は、当然のことながら、科学的根拠を踏まえるとともに、地域のみなさんとの一体感を熟成 していくこと、すなわち地域が「屋根のない学校」として取り組むことが大切であり、さらに周辺のみなら ず、広く活動への共感を発信していくことが大事だと思っています。

 最後に本日受賞されました方々の活動が全国に発信され、日本全体にこのような活動が広がっていくこと を祈念いたしまして、私の講評とさせていただきます。

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